こんにちは、Goroです。



トラディショナルシェービングには欠かせない必需品のひとつ

アルムブロック についてお話しようかと思います。。







「Alum(アルム)」とは、天然のミョウバンです。

ヨーロッパの火山地帯で採掘されるミョウバンを結晶にした「ブロック」がアフターシェーブに使われます。

イタリアやフランスのアルムブロックがトラディショナルシェービングの製品として有名です。

個人の使用として使うのはもちろん、ヨーロッパではバーバーでも使われている様です。




アストリジェント効果(収れん作用)

消炎効果

殺菌効果



に優れています。






何がスゴいか、って。

皮膚を収れんさせる効果により出血を瞬時に止めます




深剃りし過ぎたりして、切ったわけではないのだけど、ポツポツと出血してしまうことありますよね。

いつまでも止まらず、シャツの襟元やタオルを汚してしまったり、と。

あのなかなか止まらない不快なアレを一発で止めます




ただ、塩分を含む成分なので滲みます。

キズが深かったり、出血はしていなくても広い範囲でカミソリ負けをした状態の肌に使うと悶絶するほど滲みますw



でも、滲みるのは着けた瞬間から数秒ほど。

時間が経つにつれ、皮膚の収れん作用が起こり滲みるのは程なくして落ち着きます。







止血としてだけでなく、カミソリをあてた肌の消炎作用、肌の回復は、アルムを使うか使わないかではかなり違います。



僕、Goroは自分の顔を剃る時、かなり深剃りを追い込みます。

そりゃもう、徹底的にツルッツルに追い込みますw

なので、ポツポツ出血することもしばしば。

そして、出血するしないに限らず、必ずアルムをアフターシェーブに使っています



深剃りをする方ならご理解できることかと思いますが、そのあとは水でも滲みるわ、湯船に浸かれば滲みるわ、ヘタすりゃ半日以上ヒリヒリしてることありますよね?(そこまで深く剃らないって?w)

アルムをアフターシェーブに使うと、それが数分後には肌が落ち着いてしまいます。





肌を引き締めることによる止血効果消炎効果はもちろんですが、雑菌の繁殖を抑える殺菌効果もあると言われています。


アルムを使うことによる「肌の回復 効果」はスゴいです。。。




なので、「滲みる」だとか、「痛い」だとか、そんなヤワなこと言わずに、オトコなら黙ってアフターシェーブに使うべきシェービングプロダクツだと思いますwww












アルムの製品はいくつかあって、こういったブロックタイプが一般的です。




いろんなメーカーのものがあって、有名なものはフランスのOsmaでしょうか。

Osmaのアルムブロックは精製度も高く、↑ 画像のものよりももっとクリアで透き通っているのが特徴です。

アルムブロックというものは、使っていくうちに擦り減っていくのですが、不透明なものは空気を含んでいるので徐々にザラザラになっていきます。

Osmaのものよりはグレードは落ちますが、僕はこのイタリア製のアルムブロックを愛用しています。




使い方は、まずアルムブロックを水で濡らします

アルムブロックは水で濡れることによって表面が溶けます

シェービングが終わり、顔に残るシェービングソープをよくすすいだあとの顔が濡れた状態で、良く濡らしたアルムブロックを直接スリスリと滑らし塗り込んでいきます。

そして、数分置く事なく水ですすぎます。。



強く滲みれば、そこはカミソリ負けしているということ。

あまり滲みなければ、上手に剃れました、ということ。




シェービングテクニックの上達具合をはかるテストにもなります。。









小指ほどの大きさのスティックタイプもあります。


僕自身はアフターシェーブに、アストリジェントローションとして顔全体的に使うので「ブロック派」なのですが、こういったスティックタイプは、シェービング中にポチポチ血が噴いてしまった箇所にちょんちょんと塗ってあげるのに適しています。


「アルムは止血用」と決めて使う方にはこういったスティックタイプの方が使いやすいと思います。









さすがにサロンでは「ブロック」をお客さんに使い回すことは出来ません

出血に関わるものですしね。

なので、バーバー用として、こういった使い捨てのマッチタイプがあります。



ちょっと噴いてしまった出血を瞬時に止めるのに役立っています。

使い方は同じ。お水で少し濡らしてちょんちょんと着けます。

ニキビやホクロ、イボなんかをひっかけてしまった時の必需品です。









これも、バーバー用としてProrasoからリリースされているジェルタイプ。

ジェルタイプも使いやすいです。



このProrasoのジェルは空気に触れると程なくして結晶化します。

シェービング中に、血の噴いた箇所にほんの少しちょこっと着けて使うのが基本的な使い方ですが、僕は血が噴きそうな肌のお客さんをシェービングする時に、予め自分の右手の甲に少し着けておきます。

血が噴いてしまったら、左手指を軽く水で濡らし、結晶化したジェルを溶かし、すかさずちょんちょんと。



そして、このジェルに限らずにアルムの特徴として。

めちゃくちゃ滑り止めとして効きます。

添え手としての左手指に取る事により、ピシッと添え手が効きます。

ソープがついていようと、オイルがついていようとピシッと止まります。



そういった意味では、このProrasoのジェルは扱いやすいバーバーライクなアルムです。









最近、お気に入りのスペインのグルーミングブランドMyrsol

ミイルゾールの数あるアフターシェーブローションのラインナップの中のひとつ「After Shave Metilsol」



このアフターシェーブローションはアルム含有です。


結構、アルコール度数の高いアフターシェーブローションだと思うのですが、意外と滲みません。

アルムの効果でスポイルされるのです。


そして、アルムの効果による肌の回復力がパじゃありません。

素晴らしいアフターシェーブローションです。











そして、ぼくGoroが大好きなシェービングブランド

Phoenix Artisan Accoutrements(PAA)



PAAのアフターシェーブローションもアルムが入っています。

アルコール度数高めのピリリとする着け心地をアルムの効果でスポイルしています。



ラインナップのコンセプト、遊び心がとっても素敵なブランドであるPAA。

それぞれに使われるフレグランスオイルのブレンド以外にも、スキンケアに優れたエキスが満載な素晴らしいアフターシェーブローションです。


...って、今回のエントリーはアルムでしたね ^^;


PAAのプロダクツについてはまた別の機会にw 。。。






理容業界に入り30年を過ぎましたが、このアルムの存在。

今まで全く知りませんでした。

日本の理容界では全く流通していないモノですからね。

でも、海外では昔からある定番であり、常識であります。




アフターシェーブの工程で必需品であるアルム

「滲みる」といった意味では、サロンでなかなか気軽に使えないものではありますが、




お客さんとの距離感を確立しているサロン であれば、こういった「世界での常識」であるシェービングプロダクツは提案していくべきだと思っています。






だって、単純に肌に良いのですから。。。








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